保育所における「教育」をどのように位置づけていくのか? 改定保育所保育指針 第3章「保育の内容」

保育所が子どもの発達過程を踏まえ、「子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来を培う力の基礎を培う」(第1章総則「保育の目標」)ために、どのように保育していくのか、保育所における教育をどのように捉え、日々の生活や遊びを繰り広げていくのかはたいへん重要なことです。

保育指針では、「乳幼児期は、生涯にわたる生きる力の基礎が培われる時期であり、特に、身体感覚を伴う多様な経験が積み重なることにより、豊かな感性とともに好奇心、探求心や思考力が養われる」とし、「それらがその後の生活や学びの基礎になる」と、幼児教育の特性を明らかにしています(第2章「子どもの発達」1「乳幼児期の発達の特性」)。

子どもが十分に体を動かし、五感を働かせ、様々な経験を積み重ねることはたいへん重要です。好奇心旺盛な乳幼児期に、自然など身近な環境に関わって遊び、身体感覚を十分に働かせ、さらに興味や関心を育て、思考力や認識力の基礎を培うことは、子どものその後の生活や学びにつながっていきます。

また、第3章「保育の内容」の「3歳以上の保育に関わる配慮事項」にもあるように、保育所が「幼児期にふさわしい生活を通して、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培う」ことは、保育所における教育の視点といえます。小学校の教科学習の前倒しのようなものではなく、保育所の環境、すなわち、保育室、園庭、遊具などの物的環境や保育士、友達などの人的環境、さらに自然や地域の環境などを通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開していくよう保育することが重要です。

このように、保育士が乳幼児期の子どもの発達を見通し、保育所の環境や様々な活動によりその発達を援助していくことが保育所における「教育」であり、第3 章「保育の内容」においては、「教育」を「子どもが健やかに成長し、その活動が豊かに展開されるための発達の援助」と定義しています。

これまでも、保育所における保育は、特定の知識や技能の修得に偏ることなく、子どもの生活や遊びを通して子どもが楽しく充実感を味わうことができるよう配慮して行われてきました。
また、子どもの主体性を重視して、保育所の生活全体を通して、様々な習慣や知識、態度、心もちといったものを大人から子どもへ受け渡してきたといえます。

今回の保育指針において、これまで保育所が積み重ねてきた保育実践をより自覚的に捉え、その内容や意義について明確化することを求めています。
保育所が乳幼児期の子どもの育ちを支えているということを改めて見直し、子どもの発達や生活の連続性に配慮して見通しをもった保育をしていくことが重要です。

改定保育所保育指針 Q&A50